日本には家庭用から観賞用まで、魅力のあるガラス工芸やガラス細工が多数あります。

日本を代表するガラス工芸・ガラス細工

ガラス美術館・記念館では、日本で生み出されたガラス工芸・ガラス細工も多数展示されています。
切子硝子など、彫りで繊細なデザインを施したガラス製品は一般家庭用でも広く普及していますよね?

 

今回は日本を代表するガラス工芸・ガラス細工について、種類と魅力を詳しく紹介いたします。

 

 

切子硝子

切子硝子が並んである画像

 

切子硝子とは、固まったガラスを掘って繊細なデザインを施したガラスの総称で、日本では江戸切子薩摩切子が代表する存在です。
ともに江戸時代に普及した歴史を持ち、昔ながらの職人が手作りでガラスを掘る製法のほか、機械を使って大量生産する切子硝子が一般家庭・飲食店等で幅広く普及しています。

 

江戸切子は、当初から一般庶民が使うガラスとして作られた歴史を持っているのに対して、薩摩切子は当時の薩摩藩が産業として普及させ、主に海外との交易用、鑑賞用として作られていました。
ガラス美術館等でショーケースに飾られている作品は薩摩切子の方が多いです。

 

 

肥前びーどろ

肥前びーどろは佐賀県の伝統ガラスで、幕末の佐賀藩が生み出した歴史を持ちます。
宙吹きガラスの一種に分類されますが、通常は鉄製の吹き竿を使ってガラスを作る所、肥前びーどろではガラス製の吹き竿で作る「ジャッパン吹き」という手法が特徴です。
ガラスの吹き竿は空気以外の物と触れないため、なめらかな仕上がりになります。

 

1993年にガラス工芸技術として佐賀市重要無形文化財に指定されました。

 

 

津軽びいどろ

ガラス工芸品としての歴史は浅いものの、昨今通販サイト等で人気を高めているガラスが「津軽びいとろ」です。
元々は漁業で使う浮き球をメインにしていて、1977年に食器や花器の製造を始めて「津軽びいとろ」のブランド名称をつけました。
当時は浮き球を製造していた職人たちが独学でガラス細工を学び、四季やストーリーを感じられる美しいデザイン性が特徴です。

 

現在も全てハンドメイドの津軽びいとろが多数作られていて、現代のオシャレな雰囲気と日本の良き伝統が融合したガラス食器等が人気を集めています。

 

 

琉球ガラス

販売されている琉球ガラス

 

ガラスアートファンの方には有名な日本の伝統ガラスで、戦後に米軍の持ち込んだ瓶類をリサイクルして作られたことで一気に普及しました。
リサイクルガラスならではの色合いと、沖縄の風土を感じるカラフルなデザイン性が特徴です。
昨今は現代のガラス作りの技術を併用し、透明な硝子をベースにカラフルな色付けをした琉球ガラスが人気を高めています。

 

 

小樽ガラス

小樽は古くから漁業用の浮き球の製造が盛んで、昭和に入ってからは石油製ランプがヒットしてガラスの街と呼ばれるようになりました。
ガラス産業が発展するにつれて、ガラスアートを始める作家が増えていき、小樽ガラスはひとつのブランドとして日本を代表するガラス工芸・ガラス細工と呼ばれるまでに発展します。

 

独自の製法はありませんが、切子硝子やヴェネチアガラスなどを応用した作品が多く、時代や流行の変化とともに作品の雰囲気が変化しています。

 

 

番外編・とんぼ玉は?

とんぼ玉は日本のガラス工芸品と勘違いする方が多いですが、古代エジプトでも作られていたなど世界各国で発展を遂げたガラス工芸品です。
日本のとんぼ玉は明治時代の奢侈禁止令によって一度途絶え、戦後に江戸とんぼ玉や外国産のとんぼ玉を参考に復元されて普及した歴史を持ちます。

 

製法に独自性はないですが、日本のとんぼ玉は和の雰囲気があるデザインによって海外製とは一味違う魅力を出しています。

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