ガラス工芸の歴史を遡ると、古代メソポタミア文明に起源を見出すことができました。

ガラスの歴史

ガラスの歴史は紀元前4000年の古代メソポタミア文明まで遡ります。
天然ガラスも存在したことや、石灰と砂など身近な材料で作れることもあって、古くから武器や陶器として活用されてきました。
出土品を見てみると、紀元前700年代にサルゴン2世の銘入りの壷が古い工芸品として知られています。

 

ガラスの歴史を見ながら工芸品・美術品の進化を見ていきましょう。

 

 

板ガラスの登場が大きな変化を与えた

紀元前から紋章や壺などでガラスを工芸品や美術品として活用する事例がありましたが、魅せるガラスとして本格的に普及し始めたのは5世紀ごろのことです。
5世紀頃にシリアでクラウン法の原形となる板ガラス製造法が生み出されます。

 

歴史が古いステンドグラス

そこから時間をかけて家の窓で使う窓ガラスが普及していきますが、ガラス工芸品の代表的な存在であるステンドグラスはさらに歴史が古いです。

 

404年に再建されたイスタンブールの聖ソフィア寺院では無色の板ガラスが使用されていて、同じ地区にあった500年前後に完成した寺院には、既にステンドグラスの跡が残っています。

 

なお、現在も原形を残しているステンドグラスは、12世紀ごろに建設されたアウクスブルク大聖堂(ドイツ・バイエルン)です。

 

8世紀頃からラスター彩色が開発され、9世紀以降にはカット装飾が普及します。
が板ガラスの技法が進化して世界中に浸透していきます。
板ガラスの普及とガラス製法の進化に連動する形で、ステンドグラスも世界中に広がっていきました。

 

 

中世のヨーロッパでガラスが一気に普及

中世に入るとヨーロッパ全域でガラスが普及していきます。

ガラス工芸の世界では、イタリアのムラーノ島にガラス職人が強制的に集められ、現在も多くのガラス工房が密集していることが有名です。

 

そのムラーノ島にガラス職人が集められたのは1291年のことでした。
ムラーノ島では数世紀にわたって高品質で精巧なガラス製品が製造され続け、15世紀には光の屈折率が高いクリスタルガラスが開発され、ガラス製品の可能性がさらに広がりました。
ムラーノ島の職人が操業停止期間中に他国へ出稼ぎにいったことがキッカケで、ガラス製法の技術が世界中に広がっていきます。

 

世界で活躍したガラス工芸家も併せて確認してみみましょう!

 

 

日本では江戸時代からガラスが普及

有名な江戸切子のイメージ画像

ヨーロッパを中心に8~16世紀でガラスが普及したのとは対照的に、日本では古代に陶器や武器でガラスを使っていた歴史があるものの、その後はガラス製造の衰退が続いていました。

 

日本で本格的に普及したのは1600年代半ばに徳川吉宗が輸出解禁を行ってからです。
ガラス製品とガラス製法が海外から日本に伝わり、そこから江戸切子という日本独自の形に進化を遂げました。

 

海外では日用品と工芸品の双方が同時に進化を遂げていきましたが、日本では工芸品としてのガラスが先行して普及しました。

 

その後は、世界中で工業化が進んでガラス製造の形が多様化したことで、現代に繋がる幅広いガラス工芸品・美術品が広がるようになりました。

 

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